John Muir Conference 2006

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ヨセミテとはほとんど関係ないのですが、簡単な報告をします。この学会(”John Muir Conference”)は、John Muir関連の資料の殆どが集まっているStocktonのUniv. of the Pacificで、3日にわたって行われました。初日はMuirが結婚後一生を過ごしたMartinezの家へのツアー(私は参加していません)、2、3日目が発表にあてがわれました。平均参加者数は80人といったところでした。スコットランドやフィンランドからも参加された方がいました(写真上、タータンチェックのキルトをはいています。壁にはKeithの絵が掛かっています)。スコットランド訛りでMuirのフレーズを話されると、なかなかすごいものを感じました。テーマは、Muirがアメリカ外で行った旅行や社会的影響に関するものでした。Muirの功績の簡単な紹介、スコットランドの生家(町)の紹介、そこで行われている現在の教育活動、Robert Burnsの詩がMuirに与えた影響、Muirが親友の画家Keithに与えた影響、カナダ生活時代に働いていた工場そばのMuirの小屋跡の調査、Muirの採集した植物サンプルの発見作業、スコットランドやインド、南米、アフリカなどに行ったときのルートの調査などといろいろな発表がありました。参加者は、大学の研究者・学生を始め、Sierra Club、Restore Hetch Hetchyといった保護団体のキーメンバーもいましたし、一般のMuirに興味のある人も多々見られました。司会のSwagerty教授は、Muirへの興味がグローバル化してきたことを指摘していました。アトラクションは、絵を含み、Keith、LeConte、Muirの資料がいくつか展示されたこと。Muirの義父が、娘Louie(Muirの妻)にピアノを弾かせてよく歌った曲(南北戦争時の北軍の歌)をUC Berkleyのライブラリから探し出し、ピアノの伴奏付きでみんなで歌ったこと、Muirの長女Wandaの家系であるHannaファミリーが自分のワイナリーのワインをふるまったことです。個人的な収穫だったのは、発表者であるBonnie Johanna Gisel女史(”Kindred & Related Spirits:The Letters of John Muir and Jeannie C. Carr”の著者)とRobert W. Righter氏(”The Battle Over Hetch Hetchy”の著者)と直接話ができて、本の記述に関して質問できたこと、ついでに持って行った本にサインをもらったことです(笑)。
ところで、発表者の一人Eber氏に声をかけられ、「東良三」について何か知らないかと尋ねられました。Sierra ClubのMuirの簡単な紹介文(日本語版のみ)には:「高名な登山家である東良三(あずま りょうぞう)は、その青春期にミューアに深い感銘を受け、後の日本の国立公園創設者の一人になった。」とあります。氏曰く”東良三”は1914年にMartinezのMuir家を訪ねており、彼について調べたいとのことでした。氏の唯一の資料はSierra Club Bulletin 1979年 7/8月号のみでした。どなたが情報をご存知でしたらお教えください。

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