数字でみるヨセミテ国立公園

(2002年現在。”The Complete Guidebook to Yosemite National Park” Steven P. Medleyによる)
■開設:1890年10月1日
■面積:748,542エーカー(1,169平方マイル 3,029平方キロ)うち94%がウィルダネスエリア
*東京都(2,102平方キロ)の約1.5倍。京都府(4,612平方キロ)の約3分の2。
■キャンプサイト数:1,445
■宿泊室数:1,729室
■舗装道路延長:360マイル(576km)
■ハイキングトレイル:800マイル(1,280km)
■野生動物種類数:両生類と爬虫類40、鳥類242、魚類11、哺乳類77
■植物種類数:開花植物1,400、樹木37
■最高ピーク:Mt.Lyell(ライエル山)13,114フィート(3,997m)
■公園の地理的中心:Mt.Hoffman(ホフマン山)
■舗装道路の最高高度:タイオガ峠 9,941フィート(3,031m)
■おもな湖:318 (うち魚の棲息している湖127、棲息していない湖191)
■川の総延長:880マイル(1,408km)
■道路の最大制限速度:時速45マイル(72km/h)

ヨセミテ国立公園の全体像


カリフォルニア全体、S.F.とL.A.とヨセミテN.P.の位置関係

 ヨセミテ国立公園はアメリカ・カリフォルニア州のほぼ東端にあり、サンフランシスコから直線距離で約260キロメートルのところに位置している。南北に約80キロ、東西に約65キロ、面積にして3,029平方キロメートルという広大な敷地をもち、これは東京都の約1.5倍もの面積である。
 公園観光の中心は地図の中央やや下にあるYosemite Valley(ヨセミテ渓谷)である。ここにはヨセミテ滝をはじめとする数々の滝やハーフドーム、エルキャピタンなどの巨岩などみどころが集中する。またホテル、ロッジ等4つの宿泊施設とキャンプ場等もあり、まさにヨセミテ観光の中心地と言える。
 公園を横断するハイウエイ120号線は別名タイオガ・ロードとも呼ばれ東へ行くにしたがって徐々に高度を上げ、公園東端のタイオガ峠は標高3000メートルにもなる。途中にはハーフドームを背後から眺望するOlmsted Pointや美しく澄んだ湖Tenaya Lake、公園内で最も大きな草原Tuolumne Meadowsなど、素晴らしいドライブコースとなっている。また沿線からは数々のハイキングトレイルがあり、3000〜4000m級のピークや、渓流、草原、湖などをめぐることができる。
 公園の北半分へのアプローチは難しい。Hetch Hetchy(ヘッチ・ヘッチー)渓谷に車道がついている他は徒歩によるしかない。(ここにはダムが造られ、サンフランシスコ市の水源となっている。)
 公園南部の観光の中心はWawona(ワワナ)である。公園南ゲートから近いMariposa Groveにはジャイアントセコイアの巨樹群があり、ヨセミテ渓谷と並ぶ公園観光のもうひとつのハイライトである。
 冬期には140号線、41号線を除き多くの自動車道が通行止めとなるので注意してほしい。これらのすべてのエリアに行けるのは5月下旬〜10月下旬の間であろう。

NPSの地図による

ヨセミテ国立公園の魅力

 息をのむ雄大な渓谷、視界からはみ出す巨岩、年輪を重ねた巨樹、青空と草原のコントラスト、いきいきと過ごす野生動物、落差700mもの大きな滝、心のなかに直接何かが響いてくる…。
ここは先人達が地球の不思議さ、大切さを学ばせるために私たちに残してくれたインターナショナル・パークです。

 ヨセミテ国立公園は、アメリカ・カリフォルニア州シェラネバダ山脈内にある、アメリカのなかでも最も人気の高い国立公園の1つです。広さは東京都の1.5倍。世界一の一枚岩エルキャピタン、ハーフドームなどの壮大な風景のヨセミテ渓谷、世界一の大きさと寿命をもつジャイアントセコイアの樹があるワワナ、そして高原地帯、山岳地帯などその広大なエリアには多様な環境があり、その自然を保護するためのさまざまなシステムがあります。また国立公園の自然史についてあらゆる角度から説明する「レンジャー」と呼ばれる人たちがいます。

 大自然の中といっても、ホテル並みのサービスもあります。徒歩はもちろん、自転車や乗馬によって遊歩道を訪れることもできます。絵や写真などに没頭してみるのはいかがでしょう。あまり体力に自信のない方でも、さまざまな楽しみ方、ご自分のペースに合わせた行動ができるように配慮されています。

 自然のなかにたっぷりと浸りたい方。地球の力、時間の力、生命の力を感じたい方。人間の英知や技術を超えた地球の創造主の力を感じたい方。一度たっぷりと時間をかけてヨセミテを訪れてみられることをおすすめします。

写真撮影:西村仁志

ヨセミテ国立公園内での宿泊

★関連ページ
ヨセミテ国立公園近隣の町での宿泊



ヨセミテに行くなら、ぜひとも国立公園の中で宿泊したいものである。公園内に泊まるメリットは、部屋から一歩出ればそこがヨセミテだということ。例えばヨセミテロッジからは朝食前のお散歩でヨセミテ滝やマーセド川まで歩けるし、アワニーホテルの前の草原からはハーフドームが目の前にそびえている。これは時間やお金に代えがたい大きな魅力だ。
ヨセミテ国立公園内のホテルはその人気のわりにベッド数が少なく、宿泊の予約をとるのがたいへん難しい。しかし不可能なことではないので、がんばってトライして欲しい。
ヨセミテロッジ、アワニーホテル、カリービレッジなどヨセミテ国立公園内での宿泊サービスはYosemite Concession Service(YCS) (http://www.yosemitepark.com)によって運営されており、予約業務も統一されている。予約は366日前、午前8時(西海岸時間)からの受付。電話(559)252-4848。WEB上からも予約できる。(要クレジットカード)
しかし実際に予約を試みてみると、たいていの場合「全く空室無し」か「カリービレッジのテントキャビン」もしくは「ワワナホテル」しか出てこない可能性が高い。アワニーホテル、ヨセミテロッジ、カリービレッジのバス付きキャビン等を押さえるのは「至難の業」であることがわかる。
■予約を成功させるヒントは
・1年前から計画し、予約を入れる。(予約は366日前からの受付)
・週末を避け、ウィークディに日程を合わせる。
・週末を日程に入れる場合には、到着日を月〜木にする。
・代案をつねに用意しておく。(施設、日程)
・直接でだめなら日本の旅行代理店を通じて予約を入れてみる。
・宿泊のみの予約を諦め、カリフォルニア・パーラーカーツアーズの1泊もしくは2泊のツアーに参加する。
公園内がイッパイでもう予約が取れないという状況で「テントキャビンはイヤ」「やっぱりバス付きタイプの部屋でないと」という方は公園ゲート近隣の町(El Portal、Mariposa、Fish Camp)などに宿をとってはいかがだろうか。ただしその場合にはレンタカーが必須であると考えた方がいい。
公園外なら、宿の種類は小さなB&B、コンドミニアム、リゾートホテルまでさまざまだ。ヨセミテ国立公園近隣の町の宿泊についてはこちらのページで。
キャンプ場の予約は国立公園局の直轄システムになっている。キャンプ場についての情報はこちらのページで。
以下「ホテル名」をクリックすると、詳細ページ(英語)にジャンプします。
●ヨセミテロッジ
公園内で一番大きく、フロントオフィス棟を中心に森の中にロッジが点在している。バス付き・なしの部屋がある。レストランやカフェテリア、ギフトショップ、コンビニストア、プールもある。
●アワニーホテル
アワニーホテル
格式の高いリゾートホテルで、上高地帝国ホテルのよう。メインダイニングでのディナー(要予約)は男性はジャケットにタイ着用、女性もワンピースやスーツなどが必須。ギフトショップにはアメリカ先住民民芸品が充実。宿泊しなくても一度は訪れたいところ。
●カリービレッジ
カリービレッジのテントキャビン
簡素な木造キャビン(バス付き、バス無しあり)やキャンバス地のテントキャビンが中心の宿泊施設。レストラン、ピザスタンド(お勧め)、コンビニストア等がある。テントキャビンは比較的空いていることが多いので狙い目。安いため若い人たちの利用が多く、夜でも賑やか(うるさい)で「浜茶屋」や「野戦病院」との形容もある。
作者注*
カリービレッジは渓谷の南側にあるので日照時間が短く、とりわけ秋〜冬〜春は冷え込みます。テントキャビンにはヒーターも付いていますが、夏以外の宿泊には防寒にお気をつけください。
それから「テントキャビンは大丈夫でしょうか」という質問がときどき寄せられるのですが、その質問は「サンフランシスコは安全な街でしょうか」というのと同じレベルの質問だと思います。つまりそういう質問をされること自体が私は心配なので、おやめになったほうがいいと思います。
●ハウスキーピングキャンプ
夏のみオープンのキャンバステントにベッドが4つ置いてある質素な(みすぼらしい)宿泊施設。共同シャワー、トイレ、コインランドリー、コンビニストア有り。家族利用者が多く、「下町の長屋」のようになんともいえない風情の漂う施設。
以上の4つが渓谷内の宿泊施設。
●ワワナホテル
ワワナホテル
公園南部のワワナにあり、ビクトリア調デザインの美しい外観の小さなホテル。前にはゴルフコースが広がる。ヨセミテ渓谷からはクルマで1時間ほどかかるが、ジャイアントセコイアの森マリポサグローブに近い。ヨセミテ2回目以降の方や渓谷内に泊まったあとここでもう1〜2泊なんていうのもお勧め。通年オープン。
●ホワイトウルフロッジ
公園北部、タイオガロード沿いにある。テントキャビンだけの簡素な宿泊施設だが、共同の温水シャワー、レストランもある。夏期のみオープン。
●ツォロミーロッジ
公園北部、タイオガロード沿いにある。テントキャビンだけの簡素な宿泊施設だが、共同の温水シャワー、レストランもある。夏期のみオープン。
●ハイシェラ・キャンプスシステム
ハイカントリーのGlen Aulin,May Lake,Sunrise Camp,Merced Lake,Vogelsangの5ヶ所にある小規模な山小屋(テントキャビン)システム。この5ヶ所はループ状になっており順に宿泊して回ることができ、その間は荷馬隊の背に荷物を預けていくこともできる。バックパックを背負うことなく軽装でバックカントリーに入れるため「通」の人間には非常に人気が高く、予約は抽選になっている。
●テナヤロッジ
このホテルは国立公園の外、南ゲートすぐのFishCampにある。ワワナ、マリポサグローブへは近い。2001年にYCSの親会社によって買収され、経営が統合された。
屋外屋内両方のプール、フィットネスジムなどもある高級リゾートホテル。通年オープン。